50代の転職活動、実際どうだった? 書類選考で10社全滅して気づいたこと

転職について

はじめに

「今の仕事を辞めたい」と思ったとき、まず頭に浮かんだのは転職でした。

50代での転職。不安はありましたが、心のどこかでこうも思っていました。

「これが最後の転職になるだろう。最後にしたい。」

だからこそ、失敗したくなかった。2〜3ヶ月の短期決戦のつもりで、本気で動き始めました。

結果から言うと、約10社に応募して、1社も面接に進めませんでした。

でも今は、あの「全滅」があったからこそ、自分が本当に求めていたものに気づけたと思っています。


辞めたかった理由は、休めないだけじゃなかった

転職を考えるようになったのは、「有休が取れない」「残業が当たり前」という環境への不満だけではありませんでした。

もうひとつ、正直に言うと人間関係もありました。

上司とは、価値観があまり合いませんでした。仕事の成果は評価してもらっていたと思います。でも同時に、人間性を否定されるような言動もあって、「私ってそんなにひどい人間なのかな」と思い悩む時期がありました。

同僚や後輩に対しても、「もっとできる人たちと仕事がしたい」という気持ちがずっとありました。これは私のいけないところなのかもしれないけれど、正直なところです。

仕事の内容も、働く時間も、人間関係も。全部まとめてリセットしたかった。

だから最初から、同じ業界に戻るつもりはありませんでした。


「縁を切って、全く新しい場所へ」——でも軸がなかった

転職先を探すとき、同じ業界は選択肢に入れませんでした。理由は単純で、同じ業界なら職場の雰囲気も文化も似通っているだろう、と思ったからです。「環境を変えたい」のに、環境が変わらないのでは意味がない。

縁を切って、全く知らない場所に飛び込みたかった。それがあのときの正直な気持ちでした。

ただ、問題がありました。「今と違う業界で、できれば収入が上がれば」という希望はあっても、「どんな仕事をしたいか」という軸が何もなかったのです。

なんとなく目についた求人に応募する日々。給与が高そうなところを中心に手を広げましたが、「早く決めたい」という焦りだけが先走っていたように思います。


書類選考で壁にぶつかり、あらゆる手を試した

応募し始めてすぐ気づいたのは、書類選考の壁の高さでした。

面接の練習をする機会すら来ない。応募してはお祈りメールが届く、その繰り返し。

「なんとかしなければ」と焦った私は、転職ノウハウのサイトを片っ端から読み、成功者のYouTube動画を見て、応募書類をゴリゴリ修正しました。「自己PRの書き方」「志望動機の例文」「50代転職のコツ」……検索できるものは全部試したと思います。

でも、そんな小手先の技は通用しませんでした。

今思えば当然で、書き方を整えても、そもそも「なぜここを受けるか」という軸がブレブレだったんです。どんなに表面を整えても、伝わるものがなければ意味がない。それに気づくまで、少し時間がかかりました。


「同じことの繰り返しなら、意味がない」

消耗しきったころ、ふと立ち止まって考えました。

私がいまの仕事を辞めたかった理由は何だったのか。

有休が取れない。残業が当たり前。ライブに行けない。旅行に行けない。そして、疲弊する人間関係。

そのすべてが嫌で辞めようとしていたのに、転職先として選ぼうとしている会社も同じような環境ばかりだったことに気づきました。

「この調子で定年まで仕事に全振りしたら、もう取り返しがつかない」

そう思ったとき、正社員にこだわる必要はないのかもしれない、と初めて考えました。


「もしかして、派遣なら?」からの逆転劇

「派遣という選択肢」が頭に浮かんだとき、正直なところ最初は抵抗もありました。でも考えれば考えるほど、自分の条件に合っている気がしてきました。

動き出すと決めたら、今度は徹底的に動きました。派遣会社に4〜5社登録して、それぞれの条件を比較検討。登録手続きだけでもけっこうな手間と時間がかかりましたが、その分、一番条件のいいところを選ぶことができました。

内定の連絡をもらったとき、めちゃくちゃ嬉しかったです。あの書類全滅の日々が嘘みたいでした。


派遣になって、願いが意外な形で叶った

実際に働き始めてみると、想像以上に自分に合っていました。

  • 残業が少ない
  • 有休が取りやすい
  • 上司や同僚との関係が、良い意味でドライ

そして何より驚いたのが、今の職場、前職よりもレベルの高い人が揃っているということ。「できる人に囲まれて仕事がしたい」という願いが、こんな形で叶うとは思っていませんでした。

深く付き合わなくていい分、かえって居心地がいい。収入は少し下がりましたが、「時間と環境を買った」と思うようにしています。ライブにも行けるし、旅行の計画も立てられる。それが今の私には、正社員の給与より価値があると感じています。


50代の転職で、本当に必要だったもの

振り返ってみると、転職活動で一番大事だったのは「なんのために働くか」を先に決めることでした。

私は焦って「条件のいい会社」を探していたけれど、本当に必要だったのは「自分の生活に合った働き方」を探すことだったんですよね。

ノウハウ本も動画も役立つと思います。でも、軸がないままいくら書類を磨いても、私の場合は限界がありました。「何のために転職するのか」——その答えを先に出しておけばよかったと、今は思います。


まとめ:10社全滅は、失敗じゃなかった

50代の転職は、確かに簡単ではありません。でも難しいのは年齢だけが理由じゃないかもしれない。

「どこに行くか」より「何のために動くか」

それが見えていないまま動くと、私みたいに全力で空回りしてしまいます。

これが最後の転職、と決めて動き出したあの日から、今は「よかった」と思える場所に立てています。

同じように「転職しようかな」と迷っている50代の方に、少しでも参考になれば嬉しいです。

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